35歳のおじさんは何故スキンケアを始めたのか。 ~躁うつと韓流ドラマと新大久保~

延々と決まらぬ転職活動に完全に気が滅入っていた。

この頃の自分は躁うつ病に近い状態で、応募した企業からお祈りメールが届く度に底の無い沼に沈んでいく心地であった。

同居人との会話でも「ウー」としか答えられない日もあるほど精神に異常をきたしはじめていた。

f:id:lucidlill:20210516112949j:plain

伝説怪獣

これはだめかもわからんね

 

そんな精神状態の中、韓国ドラマを観ながら食事をするのが日常となっていたある日、コロナも若干の落ち着きを見せ始めていた3月頃の話である。

『愛の不時着』や『ゴハン行こうよ』ですっかり韓国ドラマの虜となっていた二人は、日常に韓国要素を求めることが増え始め、無職の自分は暇にあかせて手の込んだ料理を作ることを生きがいにしていた事もあり、ドラマに登場する韓国料理をYoutubeのレシピを参考に作ることが増えていった。

ただ作り、食べる。韓流ドラマと料理を心の拠り所としていたこの頃の自分が、より本格的な味を求めるのに、然程時間は掛からなかった。

 

話は変わるが、同居人はひとつ年上の女性である。

韓流ドラマを観る中で料理に興味が惹かれた自分と異なり、彼女は韓流スターの美肌とその根源たるスキンケア文化に惹かれ、最も身近な韓国である『新大久保』に行こう! と双方目的は異なるが目指す先が合致した瞬間であった。

 

3月某日。スキンケアに目覚めるきっかけとなった日である。

目的の調味料や韓国で人気のある袋麺や焼酎を入手した後、彼女の長い長いスキンケア用品の買い物が始まった。

事前にある程度の目星は付けてはいたものの、現地で目移りするのは致し方ないこと。

目的の商品を見つけても、店によって値段が異なるなどゲームのような要素もあって、自分も最安値で良いものを見つける喜びを共有しながらあちこちの店を見てまわった。

スキンケア用品もある程度揃い、最後にもう一件行くかと訪れた『SKIN GARDEN』という店で自分がスキンケアを始めるきっかけとなった商品と出会った。

おそらく他の店でも扱ってはいたのだろうが、特にこのお店では強く推され特設の売場まで設けられていた『VT CICA』というブランドの商品であった。

元から緑色が好きだったとか、中高時代のにきび跡が気になるとか、頬に薄く残る斑点がずっと嫌だったとか、それをケアしてくれる商品が目の前並んでいるのだ。手に取る要素は確かにあった。

しかし、これは運命の出会いであったとこの記事を書いていて改めて思う。

この日は『VT CICA』の3ステップマスクを1枚のみ購入して帰宅した。

f:id:lucidlill:20210516145342j:plain

 何事も効率を重視する性格故、まずはお試しに買ったこの3ステップマスク。

どんなもんよと風呂の後に期待半分で試してみた。

 

まずはステップ1のトナーエッセンスだ。

角質と皮脂をコントロールしてくれるらしい。手に取って直接塗ってみたが、何とも形容できない感覚であった。

強いて言えば、太古の昔子供たちで流行ったスライム作りで水分多めに出来てしまったものを塗っている感覚である。明らかにマイナスな表現だが、塗り終わった後はベタつきも無く、かつてない潤いのみをもたらした。すごい。

 

早くも本命ともいえるステップ2のマスクだ。

何度か薬局で買えるようなパックを試した過去もあるが、これはそれら過去のパックと手触りからして違う。

何というか、このマスク自体が一個の超軟体生物なのではないかと思うほどの存在感を触った手を通して感じるのだ。

緊張があった。このマスクは存在感が強すぎるのだ。石仮面を初めて着けるディオのような思い切りが必要であった。

手に感じていた強い存在感が顔面全体に広がる。多分とれたてのクラゲを顔面に広げるとこんな感じかもしれない。ぼくはマイナスな表現しかできない人間です。

おそらく10分程度でいいところを良く効かせたい一心で30分程仰向けで貼り付けていたと思う。

マスクを取ると皮を剥いた桃のような瑞々しい肌がそこにあった。35歳のおじさんの肌に福音がもたらされたのだ。

思えばこれが本当のきっかけとなったのだ。このマスクを外した瞬間こそが。

 

最後のステップ3はスリーピングマスクだ。

ステップ2のマスクの印象が強すぎて正直よく憶えてない。

これもマスクとあるが、白いクリームのようなものであったと思う。

寝ている間の乾燥を防ぎ炎症の沈静効果もあるらしい。

 

朝起きて鏡を見ると、昨日脱皮しましたか?と思えるほど顔の質感が異なっていることに気付く。

心が喜びで満たされたのはいつぶりであろうか。色々な悩みをこの瞬間は忘れられたのだ。

効果は一週間ほど続いたと思う。とにかく3ステップ以降肌の調子が良い。

この効果を長いものにするために、スキンケアを見直す時期が来たのかもしれない。

35歳と遅いスタートとなったが、ゴールに近い肌を一度は手に入れたのだ。

コロナが終わってマスクを外して歩ける日常が戻ったら、綺麗な肌で自信を持って歩けるようスキンケアを継続していきたい。

 

後日談になるが、同社の製品に絶大なる信頼を寄せた我が家では、早いうちにお徳用のデイリーマスクを購入した。

f:id:lucidlill:20210516145315j:plain

マスク自体は3ステップの時のものとは異なり、デイリーマスクは薬局で買えるパックの質感に近い物となっている。

3ステップの時とは内容物が異なるため(プロマスクという別商品がある)効果にも開きがあるが、これはこれで安価に確かな効果を感じられる。

自分と同じように、顔の赤み(所々の炎症)に悩まされている人は一度試してみてほしい。